第6回
(有)イトウ製菓
豊橋市花田三番町98 


メーカー取材もとうとう豊橋に進出。あの“駄菓子屋のヨーグルト”、ヨーグルを作っているイトウ製菓さんをお訪ねしました。子供の頃から疑問だったヨーグルの中身。あれはヨーグルトだったのか?今、その謎が明かされます。

主力商品
なかよしヨーグル、フルーツヨーグル


●ヨーグルメーカーは全国で4軒

伊東社長(以降社長に省略):「昭和27、8年の頃だと思いますが、父の兄が菓子製造メーカーをしていまして、もともとたんきり飴を作っていたんです。昭和57、8年頃まではたんきり飴を作っていました。その頃、知りあいの問屋さんにヨーグルメーカーさんが辞めるから引き継いでやらないか、と誘われて始めたのがきっかけです。ヨーグル自体は昭和30年代の半ばにはあったんじゃないかな。ヨーグルを作っているメーカーさんは全国で4軒です。大阪に1軒と、豊橋にウチを含めて2軒、あと1軒は名古屋にあったはずです。メーカー同士の競争は、10円の頃はあったんですが、値上げした今ではそれぞれ棲み分けちゃっているのでないですね。うちは、賞味期限表示の問題、スプーンの別売、バーコードなどの問題を解消してスーパーの棚に並べやすくするために、スプーンをセットしたピロー包装になったんです。80年代の後半には現在のピロー包装のかたちになっていますね。このお菓子の発祥は大阪のモロッコヨーグルです。豊橋でも市場ではモロッコが独占ですね、数量としては10円でやっているダイケンさんが一番多いかな…。」


●ヨーグルの中身

社長:
「基本ベースはショートニングです。それと砂糖、クエン酸、香料。ほんとものすごく単純なんですよ。」
キャラメル記者(以降キャラに省略):「ヨーグルトではないんですね。」
社長:「ぜんぜん違います。昔からヨーグルですよ。ヨーグルトは入ってませんからそう書けないですから。ヨーグルトのイメージで食べるとちょっと違うよね。」
キャラ:「この充填機は…?」
社長:「トンガリの機械と基本的に一緒です。だから昔、トンガリを作らないかと誘われたこともありました。だけどコーンが手に入らなくてあきらめました。ヨーグルは、充填機の型に容器をセットして充填します。その後、オリジナルのフタ押し機を使います。最盛期で日産4万個作ります。これ以上作ろうとしても容器生産が間に合わないですから。容器は豊橋市内の別メーカーがあるんですが、型はうち独自のものでお願いしてます。だからパッケージよりも容器の型でメーカーの違いがわかりますよ。」
キャラ:「味の違いってあるんですか?」
社長:「一応、容器の色で違うんですが、青リンゴ(黄緑)とグレープ(白)とスモモ(ピンク)の三つです。」

●ヨーグルの苦労

社長:
「製造上の問題ではないんですが、製品は常温保存で構わないんですが、車の中とか熱いところにおいておくと溶けてしまうんですね。わた菓子がしぼむみたいに砂糖のガリガリッとしたものが底に残るだけになってしまいます。かといって、冷やしてもまずいんですよ。ヨーグルトの感覚で冷やすとおいしいと思う人がいるかもしれないけど、ショートニングは油脂成分なので、固まってパサパサになってかえってまずくなるよね。ショートニングは融点の違いで6段階くらい種類があるんです。それを季節に応じて微妙に使い分けています。旬というものは特にないですが、融点が体温より低い秋から春にかけて生産したもののほうがおいしいと思います。夏場は砂糖を多めにしたり工夫して食べやすくしています。」
キャラ:「チョコ味なんて考えたことはないんですか?」
社長:「チョコ味をやらないかって言われたこともあったんですよ。カカオマスを加えればチョコ味を作るのは簡単なはずですが、傷みの問題(賞味期限)などもありますし、まあ、定番が一番ということですね。」





型に容器を並べる


ずらり並んだヨーグル


スプーンと2個をセットで…


機械で包装

●これからのヨーグル

社長:
「ヨーグルとしては現状維持です。作っているメーカーが少ないから販路も確保できているのですが、さらに増産というといろいろ問題も出てきます。またうちは、おみやげ用のチョコ製品なども作っていますので、両者併売で経営を安定させています。このヨーグルが駄菓子の定番のひとつに入っているので、需要があるということが救いですね。」


ヨーグルはヨーグルトにあらず。もちろんそうだろうな〜っと思っていましたが、あの容器はやはりヨーグルトらしさを狙ってますよね。僕は子供の頃にヨーグルを食べていたせいで、今でもプレーンのヨーグルトは苦手です。幸いなことに伊東社長は昭和30年生まれとまだ若いですから、ヨーグルもまだまだ息の長い駄菓子として残ってくれると思います。

(取材日1999.1.16)


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