第7回
(有)メリー鈴木製菓
豊橋市瓦町45 


豊橋メーカー取材第2弾。今回は豊橋とはきってもきれないゼリー菓子やねりあめを作っているメリー鈴木製菓さんを訪問しました。職人気質で遊び心を忘れない鈴木社長から数々の楽しい話が伺えたうえ、ゼリーのおいしい食べ方や、オリジナルキャラクター秘話など、話題満載になりました。

主力商品
ねりあめ、スティックゼリー、コンニャクゼリー、たんきり飴


●豊橋はゼリーとたんきり飴

キャラメル記者(以降キャラに省略)「メリー鈴木製菓さんの創業経緯を教えて下さい。」
鈴木社長(以降社長に省略)「ウチは先代が昭和25年頃から個人で始めまして、先代が亡くなって私は7年前に東京からこちらに来て継いだんです。以前はオブラート巻とか砂糖がけのゼリーを作っていたんですが、先代の時期にそれをやめて、まずねりあめから始めてその後に現在のスティックタイプのゼリーなどを作っています。僕に替ってからは味も微妙に変えてきました。豊橋のメーカーはたんきり飴からスタートしたところが多くて、戦後すぐの頃には80軒とか100軒くらいあったようです。白飴組合がありましたからね。というのもこの地方では良質のさつまいもがとれましたから、いも飴の生産がさかんだったんです。」


ねりあめの原料

袋詰め機械

色鮮やか

袋詰めされたねりあめ

ねりあめには割りばし
●たんきり飴のおいしさの秘密

社長:
「たんきり飴の材料は穀飴と砂糖が入ってます。湿度、温度もそうですが、ひと釜ひと釜飴の煮詰まり方や味が変わってきますので、最後は自分の舌が頼りです。原料にもばらつきがあります。ウチは直火の釜で作っていますので、水飴の原料が悪いとすぐ焦げてしまうんですよ。かといってある種の臭みが残ることがあるので、直火の釜は変えられません。ご飯とかでもそうですよね、直火炊きが一番おいしいじゃないですか。ぜひこのおいしい味を若い人にも食べてほしいですね。
 ねりあめについても飴を煮るという点では同じですが、固さに気を遣います。寒い時期には飴は固いので水分を多くし、反対に暑い時期にはできあがりが柔らかくなりすぎないよう水分をひかえます。食べる人が箸につける時、しぼり出しやすい固さになるよう工夫しています。袋詰めからは今でも手作業です。割りばしを入れるのは内職さんにお願いしていますよ。
昨年くらいから台湾などにねりあめを輸出しているんですが、着色料の規制が日本と違うのでウチがいちばん出したいピンク色を輸出できないのでちょっと困ってますね。現状は黄色と緑だけ出しています。」


●色鮮やかなメリーの駄菓子

キャラ:
「ねりあめやゼリーの色って鮮やかですね。」
社長:「たぶん昔からそんなに変えてはいないと思うんですけど。まあパステルカラーが流行ってからちょっと淡いトーンになってきているかもしれません。ねりあめが黄色、緑、ピンクの3色。スティックゼリーが5色、コンニャクゼリーが4色です。いかにおいしそうな色が出せるかに注意をはらっていますね。ゼリーの配色も試行錯誤がありました。以前はスティックゼリーにオレンジ色とレモン色があったんですが、バラ売りだとどうしても残ってしまう。そこで人気の色を探して、2年ほど前に現在の配色になりました。イチゴ、グレープ、シャンペン(水色)の3色は特に人気があるようです。子供って見た目で酸味のイメージを持つんじゃないでしょうか。コンニャクゼリーは本来は濁った色になることが多いんですが、ウチは透き通った色になるよう心がけています。色と味は絶対よくしなくちゃと日々努力しているんですよ。」


●メリーのゼリーは遊び心がいっぱい

社長:「スティックゼリーの材料は、テングサの系統から作ったカラギナンというゲル化剤(増粘多糖類)の中に香料や食用色素を加えたものです。コンニャクゼリーはそれにマンナン粉が入っています。
 コンニャクゼリーの包装には、サッカーボールにグーチョキパーの絵柄がアトランダムに入っていて、このコンニャクゼリーでじゃんけんゲームをすることができます。またちょうど作り始めた頃、Jリーグのサッカーが始まったのでゼリーとかけて“ゼーリーグ”という名前をつけたんです。好きなチームカラーのゼリーを持って、食べて応援することもできますよ(笑)。どうせ作るなら遊び心があったほうがいいですよね。子供の頃から駄菓子小僧だったんで、なんか夢のあることがしたくなるんですよ。大手メーカーさんと違って自分で創作できるじゃないですか。気づかない人はそのままなんでしょうけど。
 持論なんですが、安い商品でもおいしいものを作らなければお客さんに満足してもらえない。だから自分の舌はうまいものはうまい、まずいものはまずいとわかるように常にしていたいですね。やっぱり原料の質を落としたらわかるんですよ。妥協はできません。食べて昔とまったく同じ味だ、と感じてもらうことがこういった商品には必要じゃないでしょうか。いちばんいい時の味をいかに維持するかが大切です。駄菓子は10円、20円の安いものですが、僕たちはこれで給料をもらっているんですから自信を持って作らなくちゃいけないし、夢を売る商売だと思っています。コンニャクゼリーを作り始めたころなんかは女子高生からハガキが来て「やみつきです」なんて書かれているとうれしくて…。」


●発覚!ねりあめキャラには名前があった!!

社長:「ある時、ねりあめの箱に描かれているキャラクターの名前を教えて欲しいという問合せがありました。でもその時まで名前はなかったんですよ。考えもしなかった。そこでさっそく付けたんです。左からメイメイ、チャ太郎、ペペリンコって言うんです。これはほとんど知られていません(笑)。ちょっとペペリンコが昔のアニメのキャラクターに似ているのは御愛嬌ということで…。この絵は昔でなけりゃ出せないキャラクターですよね。今ではこんな絵、描かないでしょう。でもこどもはパッケージのデザインで選ぶところがありますから、デザインを変えると急に売れなくなることもあるので変えられません。」


●ゼリーは冷やして食べるのがグッド!

キャラ:「最後にゼリーのとっておきの食べ方があるとか…」
社長:「うちのコンニャクゼリーは、常温でもおいしいですが、冷蔵庫で冷やして食べてちょうどいい固さにしてあるんです。夏場は冷蔵庫で冷たくしたり、冷凍庫で凍らせて食べる方法もおすすめしますよ。プリッとしておいしいんです。またスティックゼリーは凍らせるとシャーベットみたいになってこれまたおすすめ。ヘタなアイスよりずっとおいしいですよ。ふたつの食感もはっきり違いますので、ぜひお試しください。」



取材中、冷凍スティックゼリーと冷凍コンニャクゼリーを頂いたのですが、これが本当にうそいつわりなくおいしさ二重丸。ゼリーの存在感がしっかりあるといった感じで、高級デザート感覚といっても言い過ぎじゃないものでした。これからのシーズン、冷凍ゼリーは欠かせませんね。でも間違ってねりあめを凍らせたら……大変なことになりますよ、念のため。

(取材日1999.1.16)


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