突撃!駄菓子メーカーさん
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キャラメル横丁 -> 突撃メーカーさんPart2 <第2回>マルタ食品

マルタ食品株式会社

名古屋市西区押切2-1-17
戦後、創業したマルタ食品(株)は、全国でも数少ないこんぺい糖を作るメーカーです。また他にも粉末ジュース駄菓子、チョコ駄菓子、ラムネ駄菓子、そしてそれらを組み合わせた"おもしろお菓子"などを多数製造しています。気さくな稲葉社長に、お伺いしました。
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(主力商品)くまさんチョコ、ねりっちょソフト、のむっちょゼリー、ラムネ3兄弟、チョコハブラシ、夜空の星、星の国みつけた、こんぺいとう、ボトルラムネ、プレイマイク


 うちは戦後まもなく先代が創業して、昭和25年に会社組織にしました。最初からこんぺい糖の製造販売を行っていまして、昭和35年に粉末ジュース、昭和59年にチョコレート関係のお菓子と、取り扱い商品を増やして、現在では約30種類くらいの商品を作っています。また、こんぺい糖とともに、"おもしろお菓子"と呼ぶ時代のニーズに合ったアイデアお菓子も作っています。ファンシーキャンディなどが流行った時には、ガラス瓶に入ったかわいい雑貨屋さんに並んでいるようなものも作っていましたし、今はこんぺい糖をかわいい器に盛りつけた商品なども開発中です。

●作りながら食べられる"おもしろお菓子"

 キャラメル記者(以降キャラ):「人気の商品には、どんなものがありますか?」 
 作りながら食べるお菓子が人気ありますね。うちの場合、粉末ジュースの技術がありますから、水を加えて練って食べるというものがウケてますよ。この「ねりっちょソフト」は、中に粉末とコーンが4つ、それにスプーンが入っていて、ソフトクリーム状のものを自分で作れるんです。また定番人気の「くまさんチョコ」は、テディベアって流行ってますでしょ。そんなくまの形をしたビスケット(プレーンとチョコの2色)をチョコにつけて食べるんです。パッケージのイラストはかわいくなりすぎちゃって中とあまり似てないんですけど。
 キャラ:「くまさんチョコの中に入っているビスケットですが、手作業で詰めているそうですね。」

 白いプレーンとチョコの比率にはこだわっています。全部で5個なんですが、みんな同じ色(味)じゃだめだし、1:4でも良くない。チョコ2個:プレーン3個か、チョコ3個:プレーン2個になるように手できちんと詰めています。だからこういった"おもしろお菓子"は作るのに手間がかかって、なかなか量産が大変なんですよ。またうちの商品の中で「チョコハブラシ」というのがあるんですが、これはあんまり売れても困るんですよ、大量生産できないので。ウエハースを重ねてハブラシのかたちにしているんですが、これも手作業なんです。機械ではできません。だから限定生産にしています。


●職人技の極致? こんぺい糖の作り方


← こんぺい糖工場に入る時は必ず白衣で

 キャラ:「こんぺい糖の作り方って独特なんですよね?」
 特殊な釜が必要ですからね。傾斜装置付き直火式回転釜とでもいうのかな。こんぺい糖の語源はポルトガル語のコンフェイトから来てるんですよ。織田信長の時代に日本に入ってきたのかな。戦後すぐの物がない時代に流行って、昭和35年くらいまでが一番ブームでしたね。こんぺい糖は、カクザラメに沸騰させたグラニュー糖液をず〜っと回しながらかけていって、1週間かけて結晶を作るんですよ。ザラメがころがっているところにグラニュー糖液がつくと、つきやすいところとつきにくいところができてだんだん変形してくるんです。お互いもぶつかりあうからそれがトゲトゲになっていくんですね。微妙な速度で回すことが必要で、回転が早すぎると丸くなっちゃうんです。現在は機械で温度を一定に保つことができますが、昔は職人の勘だけが頼りでした。1週間昼夜を問わず回しっぱなしというわけじゃなくて、ちゃんと夜は止めますよ。次の朝にまたそこから始めて、1週間でやっと商品の大きさになります。
 全国でもこんぺい糖の製造メーカーは8社くらいのはずです。ウチは、自社独自で設計した釜で、1日目、2日目とザラメを移動させていきながら1週間から10日(製品サイズ等によって異なる)で作っていきます。ひとつの釜で一色ですから、何色も混ぜた製品をつくるためには1色×7〜10日×色数分の時間がかかります。これだけ手間と時間がかかるため、今ではこんぺい糖メーカーが減ってしまったんでしょうね。爆発的に大量に売れるというものでもないですし。ウチでは、駄菓子の「夜空の星」のほか、ひなまつりなどに向けた袋モノの季節商品のこんぺい糖なども作っています。
 キャラ:「こんぺい糖といえば、先頃、紀宮さまの結婚式の時に引き出物として注目されましたよね。」
 皇族の方は、伝統としてボンボニエールというこんぺい糖の入ったお菓子入れを配るそうです。紀宮さまのあれは京都の御用達のこんぺい糖メーカーで作ったようですね。ウチでも商品開発を検討して、陶磁器のボンボニエールの見本を手に入れたりしてみたんですが、やっぱり採算が合いません。


 ← 釜からできたこんぺい糖のサイズを選別

傾斜装置付き直火回転釜

グラニュー糖液をかけ続
ける

釜ごとにこんぺい糖を作

手作業も欠かせない

できあがったばかりのカラフルなこんぺい糖

●駄菓子メーカーの難しさ

 キャラ:「最近、今まで作っていたラムガムの生産を中止したそうですが、どうしてですか?」
 ラムガムは、タブレット型のラムネの中に色とりどりの粒ガムが混ぜてある駄菓子なんですけど、その粒ガムを作っていたメーカーが辞めちゃったんですよ。プチガムの原料だったんですけど、あれも手のかかる商品だったようで職人さんが老齢化して後継者がいなかったんでしょうね。自然消滅です。駄菓子のメーカーは最近、こういうかたちで少なくなってますね。
 ウチでも最近は新製品を作るというよりも、昔からの定番商品が継続してお客さんから注文されますね。ただ、どうしても品質管理がしやすく、実際手に取るお母さんが安心するような駄菓子になってきています。もう街の駄菓子屋がどんどん少なくなってきて、対面販売ができなくなっていますから。今は並んでいるものを自分で選んでカゴに取って買う、ということは商品の説明ができないんです。そうなるとお母さんがたから見れば、材料など安全そうな駄菓子を選ぶ傾向になりますし、子どもたちも知らない駄菓子じゃなく、いつも慣れ親しんでいる味のわかっているものを買うことになります。やっぱり大人でも子どもの頃に食べたことのあるものを買います。だから昔ながらの定番商品ばかりになってきていますね。ここ5年ほどのデータを調べてみると、みごとに、ニーズの多いものと少ないものがはっきりしてきて、駄菓子の種類が定番化してきているのがわかりますよ。
 名古屋でも昔ながらの駄菓子屋が本当に無くなりつつあって、逆に新しいスーパーのテナント系のお店が増えています。ドン・キホーテ(激安の殿堂)などは、我々にとってまったく新しいマーケットですね。あとはゲームセンターの景品としての需要も増えて来ています。ゲームセンターは増えてますし、子どもだけじゃなくて大人も遊べますから。
 ラムネやピローキャンディなど景品も賞味期限など品質管理は厳しくなってきていますので、安全な商品を納入しています。とにかく、社会的ニーズもあり、全般的に昔よりも品質には注意を払うようになってきました。だから取り扱い商品の数を減らし、目がより届くようにしてより生産性の高い、品質の安定した売れ筋商品を残していく傾向になっています。
 そして今日もできあがった商品が店頭へ


ほぼ7年ぶりに再取材に伺ったマルタ食品さん。楽しい"おもしろお菓子"は健在でしたが、品数を絞り込む傾向にあるとか。発注先も駄菓子屋から、ファンシーグッズのテナントやディスカウントショップなどに変わりつつあるようです。そして年々少しづつ無くなっていく駄菓子屋と駄菓子メーカー。キャラメル横丁も駄菓子の新しい販売形態のひとつですが、本来の駄菓子の雰囲気を残す駄菓子屋さんもなんとか続けていてもらってほしいものです。(再取材 2006.3.6)



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